「やってよかった」後悔しないための収納計画7原則:ウォークインクローゼットだけでは解決しない!
家を建てた先輩施主の多くが語る後悔の一つに、「収納の失敗」が挙げられます。
「ウォークインクローゼットを大きくしたのに、結局リビングが片付かない…」
「パントリーを設けたけれど、奥のものが取り出しにくくてデッドスペースになっている」
単に収納の量(広さ)を増やせば解決するわけではありません。大切なのは、家族の「モノと行動」を把握し、ムダな動きをなくすための動線に基づいた計画です。
本コラムでは、子育て世帯や共働き世帯が特に失敗しがちな収納の罠を避け、「あのときやってよかった」と心から思える収納を実現するための7つの原則と具体的なアイデアをご紹介します。
第1原則:まず「家族の持ち物」を徹底的に把握する(量より質の計画)
収納計画の最大の失敗は、「今持っているモノの量と種類」を把握せず、カタログやモデルハウスのイメージだけで収納スペースを決めてしまうことです。
❌ 失敗例:容量だけを確保する
「家族4人だから、とりあえず3畳のWIC(ウォークインクローゼット)があれば大丈夫だろう」と、何を、どこに、どれだけしまうかを考えず、広さだけを確保する。結果、使い勝手が悪く、モノが溢れ出す。
✅ 成功への一歩:【全量計測とグルーピング】
設計前に、すべてのモノを一度見える化し、「衣類」「趣味の道具」「日用品ストック」の3つに分類しましょう。特に、使用頻度とモノの重さ・大きさでグルーピングすることが重要です。

第2原則:収納は「使う場所」の「使う人」のそばに作る
「全館収納」の考え方です。収納を一部屋に集約するのではなく、家全体に分散させ、モノを使う場所で片付けられるように計画します。
| 場所 | 収納すべきモノ | 目的 |
| 玄関 | 園芸用品、外遊びのおもちゃ、コート、ベビーカー、アウトドア用品 | 帰宅時・外出時の動線短縮(土間収納/SCL) |
| LDK | 薬・文房具、リモコン、学校のプリント、タブレットなど | リビングで使うモノを「一時置き場」としてしまう(壁面収納/ニッチ) |
| 洗面室 | タオル、下着、パジャマ、洗剤ストック | 洗濯・入浴の動線を最短化(リネン庫) |
これにより、「モノを元の場所に戻す」という片付けのハードルが極限まで下がり、リビングの散らかりを防げます。
第3原則:家事負担を激減させる「ランドリールーム動線」
共働き世帯の必須条件が、洗濯の「洗う・干す・畳む・しまう」を一箇所または最短動線で完結させる計画です。
- 最短動線: 脱衣室 ↔ ランドリールーム ↔ ファミリークローゼット(FCL)を隣接させる「回遊動線」が理想です。
- FCLの活用: 畳んだ服を各部屋に配る手間をなくすため、FCLに家族全員の日常着を収納します。子どもが小さいうちは特に効果的です。
- 収納の考え方: ランドリールームには、「下着・パジャマ」「タオル」「洗剤・ハンガー」の3つだけを収納すれば十分です。
第4原則:奥行きは「モノ」に合わせて、適切な深さにする
収納の失敗で最も多いのが「奥行きのムダ」です。単に広い収納(特にWIC)を作ると、奥がデッドスペースになり、モノの二重管理が発生します。
| 収納場所 | 適切な奥行き | 理由 |
| 洋服クローゼット | 55cm~60cm | ハンガーにかけた衣類が収まる最低限の奥行き。これ以上深いとムダ。 |
| パントリー | 30cm~45cm | 飲料ケースや大容量ストックを置くなら45cm。食品ストックのみなら30cm程度が、奥まで見渡せて最も使いやすい。 |
| リビング収納 | 30cm~40cm | ファイルやボックスが並べやすい奥行き。 |
【WICの罠】 WICの通路幅が広すぎる(90cm以上など)と、その通路がムダになります。通路は人が一人通れる最低限の幅(60〜70cm程度)で十分です。
第5原則:可変性を確保し「成長」に合わせて仕切る
子どもの成長やライフスタイルの変化に合わせて、収納も変化できるように計画しておくことが、10年後、20年後の後悔を防ぎます。
- 子ども部屋収納: 最初は扉のないオープンな棚や可動棚にし、成長に応じて収納ボックスやデスクを配置できるようにします。
- 予備収納: 季節モノやレジャー用品、使用頻度が極めて低いものをしまっておく**予備の納戸(階段下収納など)**を確保しましょう。これは家のどこに置いても構いませんが、あると便利です。
- 棚板は可動式に: 棚板の高さを自由に変えられる可動棚を標準採用することで、収納アイテムやモノの大きさに合わせてムダなく活用できます。
第6原則:「見せる収納」と「隠す収納」のメリハリをつける
「すべて隠せば良い」わけではありません。頻繁に使うモノは、ワンアクションで取り出せる「見せる収納(オープン棚)」にし、生活感の出るモノは扉で「隠す収納」に徹底することで、ストレスが減り、部屋が常に片付いた状態になります。
| 収納タイプ | 特徴 | 収納すべきモノ |
| 見せる収納 | オープン棚、ニッチ(壁のくぼみ) | 頻繁に使うモノ、おしゃれなモノ(本、グリーン、アクセサリー) |
| 隠す収納 | 扉付き棚、WIC、納戸 | ストック品、掃除用具、季節のモノ(生活感が出るモノ) |
特にリビングは「隠す収納」の割合を高くし、**家族全員の「一時置き場」**を扉の中に設けることがポイントです。
第7原則:収納のプロと初期段階から相談する
間取りを決めた後に収納スペースを「後付け」すると、必ずデッドスペースが生まれます。
最も後悔しない方法は、家づくりの初期段階で「収納のプロ」(整理収納アドバイザーの資格を持つ営業や設計士など)と、あなたの家族のライフスタイルを共有することです。
「我が家は宅配が多い」「子どもがサッカーをするので、泥汚れを落とす動線が欲しい」「夫婦の帰宅時間が違うので、衣類はFCLに集約したい」など、具体的な要望を伝えることで、あなたの家族にとって最適な、無駄のない収納が実現します。
まとめ
後悔しない収納計画は、「どれだけ広く作るか」ではなく、「どれだけ楽に片付くか」で決まります。
今回ご紹介した7原則を参考に、ご自身の家族の「モノの量」と「日々の行動動線」を徹底的に分析してみてください。その計画が、ストレスのない快適な暮らしと、美しい住空間を生み出す鍵となります。
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