買い替え(住み替え)時にかかる譲渡所得とは?
 
住宅の買い替え(住み替え)は、人生における大きなイベントの一つです。新しい住まいでの生活に胸を膨らませる一方で、金銭面での不安を感じる方も少なくありません。特に、現在の住まいを売却して利益が出た場合にかかる「譲渡所得税」は、その金額が大きくなる可能性もあり、事前にしっかりと理解しておくことが重要です。
本コラムでは、住み替え時にかかる譲渡所得税について、その計算方法、特例制度、そして具体的な節税策まで解説していきます。
買い替え(住み替え)時の譲渡所得税を理解する
譲渡所得とは?
まず、譲渡所得とは、土地や建物などの不動産を売却した際に得られる所得のことです。売却益が出た場合に課税され、その税金を「譲渡所得税」と呼びます。
譲渡所得は、以下の計算式で算出されます。
譲渡所得 = 収入金額(売却価格) − (取得費 + 譲渡費用)
- 収入金額(売却価格): 不動産を売却した金額です。
- 取得費: 売却した不動産を購入したときの費用です。購入代金のほか、購入手数料、設備費、改良費なども含まれます。建物については、経過年数に応じた減価償却費を差し引いた金額となります。
- 譲渡費用: 不動産を売却するためにかかった費用です。仲介手数料、印紙税、測量費、建物の取り壊し費用などが該当します。
譲渡所得税の税率
譲渡所得税の税率は、不動産の所有期間によって異なります。
- 長期譲渡所得: 不動産を売却した年の1月1日時点で所有期間が5年を超える場合- 所得税:15%
- 住民税:5%
- 合計:20%
 
- 短期譲渡所得: 不動産を売却した年の1月1日時点で所有期間が5年以下の場合- 所得税:30%
- 住民税:9%
- 合計:39%
 
所有期間が5年を超えるか否かで税率が大きく変わるため、売却時期を検討する上で重要なポイントとなります。

譲渡所得税を軽減する特例制度
住み替えの場合、特定の要件を満たすことで譲渡所得税を大幅に軽減できる特例制度がいくつか用意されています。これらの制度を理解し、適用できるものがないか確認することが節税の鍵となります。
1. 居住用財産を譲渡した場合の3,000万円特別控除
この特例は、マイホームを売却した場合に、譲渡所得から最高3,000万円まで控除できる制度です。住み替えで最も利用される可能性が高い特例であり、大きな節税効果が期待できます。
主な適用要件:
- 自分が住んでいる家屋とその敷地を売却すること。
- 売却した年の前々年、前年、売却した年に、この特例の適用を受けていないこと。
- 売却相手が、親子や夫婦などの特別な関係者でないこと。
- 災害によって滅失した家屋の敷地の場合は、その滅失した日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却すること。
2. 特定居住用財産の買換えの特例
この特例は、マイホームを売却し、新たにマイホームを買い替えた場合に、一定の要件を満たせば、譲渡益に対する課税を将来に繰り延べできる制度です。すぐに税金を払う必要がなくなるため、手元の資金を残しやすくなります。
主な適用要件:
- 売却するマイホームの所有期間が10年超であること。
- 売却するマイホームに居住していた期間が10年以上であること。
- 売却した年の前々年、前年、売却した年に、この特例の適用を受けていないこと。
- 売却価格が1億円以下であること。
- 買い替えるマイホームの床面積が50m²以上であること。
- 買い替えるマイホームの取得時期が、売却した年の前年から売却した年の翌年までであること。
- 買い替えるマイホームに、取得日から遅滞なく居住すること。
この特例は、3,000万円特別控除と重複して適用することはできません。どちらか一方の有利な方を選択することになります。
3. 居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除
もし、マイホームを売却して譲渡損失(売却損)が出た場合、その損失を他の所得(給与所得など)と相殺できる「損益通算」と、相殺しきれなかった損失を翌年以後3年間繰り越して控除できる「繰越控除」の特例があります。
主な適用要件:
- 売却するマイホームの所有期間が5年超であること。
- 買い替えるマイホームを取得すること(買換えがない場合は、別の特例が適用される場合があります)。
- 買い替えるマイホームの床面積が50m²以上であること。
- 合計所得金額が3,000万円以下であること。
4. 既存住宅を耐震改修した場合の特例
売却する住宅が旧耐震基準の建物であり、買主が耐震改修を行った場合、一定の要件を満たすと、譲渡所得から控除を受けられる場合があります。
住み替え時の譲渡所得税を抑えるためのポイント
特例制度を理解した上で、具体的な節税策も検討しましょう。
1. 売却時期の検討
前述の通り、所有期間が5年を超えるか否かで税率が大きく変わります。もし、所有期間が5年未満の場合は、可能であれば5年を超えてから売却することも検討しましょう。ただし、市場の動向や個人の事情を総合的に判断する必要があります。
2. 特例制度の適用確認
ご自身のケースでどの特例が適用できるのか、適用要件をしっかりと確認しましょう。複雑なケースでは、税理士に相談することをおすすめします。
3. 取得費・譲渡費用の把握
取得費や譲渡費用は、譲渡所得の計算に直結する重要な項目です。購入時の契約書、領収書、リフォーム費用の明細書など、関連する書類を大切に保管し、漏れなく計上できるように準備しておきましょう。
4. 必要書類の準備
確定申告の際には、売買契約書、登記事項証明書、住民票など、さまざまな書類が必要になります。事前に必要書類を確認し、スムーズに手続きを進められるように準備しておきましょう。
5. 税理士への相談
譲渡所得税の計算や特例制度の適用は、専門的な知識が必要となる場合があります。特に、複数の特例が絡む場合や、金額が大きい場合は、税理士に相談することで、適切なアドバイスを受けられ、安心して手続きを進めることができます。
まとめ
住宅の買い替え(住み替え)は、新たな生活への期待とともに、譲渡所得税という金銭的な課題も伴います。しかし、譲渡所得の計算方法を理解し、適用可能な特例制度を把握し、適切な節税策を講じることで、その負担を軽減することが可能です。
本コラムが、皆様の住み替えにおける譲渡所得税に関する理解の一助となり、安心して新しい生活をスタートさせるための一助となれば幸いです。ご自身の状況に合わせた最適な選択をするためにも、必要に応じて専門家への相談も検討し、後悔のない住み替えを実現してください。
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